生きものコラム

ムササビの巣材を探ってみたら・・・

先日開催された「環境デーなごや2022」にブース出展をした際、「なごやの希少種」に関する展示を行ったのですが、その中でムササビについて紹介させて頂きました。

 

ムササビは国内に生息するリスの仲間としては最大の動物で、滑空する姿は「空飛ぶ座布団」とも称されます。ムササビは夜行性で、日中は樹洞などを利用した巣穴内で休息しています。さて、この巣穴ですが、内部がどうなっているのか気になりませんか?幸運なことに、ムササビの巣材が提供してもらえる機会があったので、その中身を探ってみました。巣材の中身は大量の植物片で、20Lゴミ袋分程の量がありました。どんな植物が含まれていたのかを、以下に紹介したいと思います。

まず、巣材の90%以上を占めていたのが、スギの樹皮でした。スギやヒノキなどの針葉樹は、ムササビの巣材として最も頻繁に利用されている植物です。ムササビはこれらの樹皮を細かく裂いて巣穴に持ち込み、“布団”のように敷き詰めて、日中はその上で休んでいるようです。他にも2種類の植物の葉が見つかったので、植物の専門家(愛知植物の会・村松正雄先生)に種類を確認して頂きました。その結果、ツブラジイとソヨゴの葉であることが判りました。これらの葉は、端にかじられた痕(食痕)が見られたことから、ムササビが餌として持ち込み、食べ残した植物片と考えられました。

哺乳類を直接観察するのは容易ではありませんが、食痕や糞などの“残り物“から得られる情報もあるのです。

今回見つかったムササビの巣材も、展示用の資料として活用していく予定です。

(なごや生物多様性センター/曽根啓子)

一覧に戻る
ページトップへ戻るボタン