センター敷地内の植物紹介 ~キンモクセイ~
生きものコラム 2020.10.21
最近、道を歩いているとキンモクセイの甘い香りがしてきませんか?
どこから香ってくるのかと思って辺りを探すと、樹木自体は意外なほど遠くにあって驚きます。
キンモクセイは、春のジンチョウゲ、夏のクチナシに続く、三大香木の一つです。
現在、そのキンモクセイが当センターで満開となっており、訪れる皆様を甘い香りでお出迎えしています。
キンモクセイは、雌雄異株の常緑小高木です。
原産地は中国で、日本には花付きの良い雄株しか導入されていません。
雄株の花を観察すると、4枚の繋がった花弁(合弁花)の中心に、2つの雄しべと1つの小さな雌しべが見えますが、雄株の雌しべは退化しているため、実を結ぶことはありません。
ちなみに、花に目が行きがちですが、樹皮は淡い灰色で、菱形の黒い皮目がある独特の模様をしています。
この模様が動物のサイ(犀)の脚に似ているということで、漢字で書くと「金木犀」となっています。
庭や公園によく植栽されているキンモクセイは、誰もが知っている身近な植物の一つではないでしょうか。
こうした身近な草花を通して、季節の移ろいを感じてみましょう!
(なごや生物多様性センター/西部めぐみ)