小幡緑地|東部(丘陵地)

小幡緑地

名古屋市の東部丘陵地にはいくつもの大型の緑地がありますが、小幡緑地もそのうちの一つです。小幡緑地は守山区の中央部に位置し、幹線道路(国道302号線)を挟んで西側にある「西園」、東側にある「本園」、「中央園」、「東園」からなり、総面積は約227haです。園内には森林やため池があり、様々な生きものの生育・生息場所となっており、この中には市内であまり見ることのできない生きもの(希少種)を見ることも出来ます。
その中の一つが、「マメナシ」という植物です。マメナシはバラ科ナシ属の落葉高木の一種で、国内における自生地は愛知県、岐阜県、三重県に限られており、名古屋市版レッドリスト2020では「絶滅危惧IB類」に指定されています。守山区には約150株のマメナシが自生していますが、このうちの1/4程(40株程)は小幡緑地の本園で見られます。このマメナシを“郷土の宝”として次世代に残すべく、樹勢調査や保全作業が実施されています。

写真

マメナシの木(開花期)

写真

マメナシの実

マメナシ以外にも、園内には「希少種」と呼ばれる生きものが多数生育・生息しており、これらの生きものを保全する活動を実施しています。これらの生きものを保全する活動を実施しています。特に湿地における保全作業には力を入れており、例えば踏圧を防ぐために木道を設置し、その上から植物などを観察するなどしています。「せせらぎ湿地」では、シラタマホシクサ、サギソウ、ザイフリボク、ハルリンドウ、トウカイコモウセンゴケ、ノハナショウブ、コバギボウシ、コガマが見られます。また「ダム下湿地」では、ノカンゾウ、スイラン、シラタマホシクサ、ミミカキグサ、クロミノニシゴリが見られるほか、マメナシの花の受粉を行う昆虫も観察されています。保全活動以外にも、園内に生育・生息する四季折々の生きものを観察する「自然観察会」が、定期的(月に1回)開催されています。

湿地での保全作業

(愛知守山自然の会 石原則義)

見られる生きものたち

戻 る
ページトップへ戻るボタン