猪高緑地は名古屋市の東の端に広がる66.2ヘクタールの緑地です。「ここが名古屋か」と思われるほど自然に富んでいます。かつては里山として生活を支えて来ましたが、生活の変化によって利用されなくなってしまいました。しかし、自然を守る活動が行われ、まだまだ自然が残っています。 色々な種類の絶滅危惧種も生息しています。復元された棚田もあり無農薬、化学肥料を使わないお米作りが行われています。
3.2ヘクタールの塚ノ杁池をはじめ、多くの溜池があります。起伏に富んだ地形で、標高50mから標高110m、60mの高低差があります。500万年前から300万年前に堆積した、砂礫層やシルト層が複雑に堆積した地層です。そのため、木の根が深く張り難くなっています。又、やせた土地でしたので、そう言う土地を好む植物の生息地となっていました。現在は遷移が進み土地が肥えてきて雑木林や竹林が発達してきています。その為、更に土地が肥えてきて、元々いた植物が少なくなってきています。
竹が増え過ぎ竹藪が多くなってきています。竹は且つては色々な道具や建築材料に使われ、タケノコは食料として利用されていました。材料が変化し、外国から安いタケノコが入って来て竹が使われなくなったからです。その為、竹を伐採して生物多様性を守る活動が続けられています。
色々な外来種を持ち込まれたり自然にやって来て、在来種に大きな影響を与えています。ネコへの餌やり、溜池の水漏れ等々、色々な問題を抱えています。しかし、大都市、名古屋市の貴重な緑地としての色々な機能をはたしています。又、果たして行くように保全活動が続けれらています。
(名東自然倶楽部 髙木和彦)