『外来種(外来生物)』とは、その地域に生育・生息していなかったのに、人間によって持ち込まれた生きものを指します。これに対し、その地域にいるものを在来種といいます。外来種を持ち込むことを導入といい、国外から導入されることもあれば(国外由来の外来種)、国内の別の地域から導入されることもあります(国内由来の外来種)。
ペットや食用などの目的で持ち込まれたり、荷物や乗り物などにまぎれこんだりと様々です。
意図的、非意図的のどちらにしても、人間の活動に伴って持ち込まれています。
外来種の中には、捨てられたり逃げ出したりした結果、野外での繁殖に成功すると(定着)、在来の生態系や人間生活に悪影響を及ぼすようになるものがいます。
人体への攻撃
人をかんだり、毒をもっていたりする。
生活環境への影響
家屋に侵入したり、飼育しているペットを傷つけたり、その餌を食べたりする。
文化への攻撃
地域の文化的価値観の基盤となっている地域固有の自然が失われる。
農林水産物への被害
農林水産物を食べたり、田畑を荒らしたりする。
感染症の媒介
病原体を持ち込んだり、運んだりする。
植生の破壊
もともとある生態系の基盤となっている植生環境が失われる。
捕食・攻撃
在来種を食べたり、攻撃したりする。
競合
住む・育つ場所や餌を奪う。
遺伝的撹乱
遺伝的に近い在来種と交雑して雑種をつくる。
現在、多種多様なペットが飼われていますが、多くが外来種であり、野外に捨てられたり逃げ出したりして問題になっています。
飼う前には、最後まで飼育するため、その生きものについてよく調べることが大切です。
どれくらい大きくなるのか。
どれくらい長く生きるのか。
どんな性格なのか(例:臆病、どう猛)など
荷物、土産物、服や靴、それに付着した土などの中に、昆虫のような小動物や植物の種子などがまぎれている可能性があります。
意図せず持ち込まないよう注意する必要があります。
意図せず侵略的外来種が侵入するのは、敷地所有・管理者のせいではありません。しかし、そのまま放置すると、周辺の生態系に
大きな被害を及ぼすおそれがあります。敷地を適切に管理するという視点で、防除に務めることが重要です。
外来種被害予防3原則
入れない
もともとその地域にいない生きものをむやみに入れない
捨てない
飼育・栽培している生きものを野外に捨てない
拡げない
野外にいる生きものを他の地域に拡げない
海外から持ち込まれた外来種で、生態系、人の生命・身体、農林水産業に重大な被害を及ぼす恐れのある生きものは、外来生物法(特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律)により「特定外来生物」に指定されています。
飼育・栽培・保管・運搬すること
輸入・譲渡・販売すること
野外へ放つ、植える、種子をまくこと
すでに定着していると考えられるものから、一度しか確認されていないものも含みます。
※特…………………
特定外来生物(外来生物法に基づき指定された生きもの)
※特(条件付)……
条件付特定外来生物(外来生物法に基づき指定された生きもの)
※条…………………
条例公表種(愛知県自然環境の保全及び緑化の推進に関する条例に基づき公表された生きもの)
齧歯目 ヌートリア科
ヌートリア
特 (提供:酒井 正二郎)食肉目 イタチ科
シベリアイタチ
(チョウセンイタチ)
食肉目 アライグマ科
アライグマ
特食肉目 ジャコウネコ科
ハクビシン
条ハリネズミ目 ハリネズミ科
アムールハリネズミ
特スズメ目 チメドリ科
ソウシチョウ
特 (提供:長尾 吉高)カメ目 イシガメ科
ハナガメ
特カメ目 カミツキガメ科
カミツキガメ
特カメ目 カミツキガメ科
ワニガメ
条カメ目 ヌマガメ科
ミシシッピアカミミガメ
特(条件付)カメ目 ヌマガメ科
リバークーター
無尾目 アマガエル科
ウシガエル
特 (提供:鳥居 亮一)ガー目 ガー科
アリゲーターガー
特 (提供:酒井 正二郎)ガー目 ガー科
スポッテッドガー
特 (提供:酒井 正二郎)カダヤシ目 カダヤシ科
カダヤシ
特 (提供:鳥居 亮一)コイ目 コイ科
コイ飼育型
コイ目 コイ科
ソウギョ
コイ目 コイ科
タイリクバラタナゴ
(提供:鳥居 亮一)スズキ目 サンフィッシュ科
ブルーギル
特 (提供:鳥居 亮一)スズキ目 サンフィッシュ科
オオチクバス
(ブラックバスの一種)
特 (提供:環境省)スズキ目 タイワンドジョウ科
カムルチー
(ライギョ)
(提供:鳥居 亮一)カマキリ目 カマキリ科
ムネアカ
ハロビロカマキリ
コウチュウ目 カミキリムシ科
クビアカ
ツヤカミキリ
コウチュウ目 カミキリムシ科
ツヤハダゴマダラカミキリ
特チョウ目 タテハチョウ科
アカボシゴマダラ
名義タイプ亜種(大陸亜種)
特 (提供:間野 隆裕)チョウ目 シジミチョウ科
ムシャクロ
ツバメシジミ
ハチ目 アリ科
アカヒアリ
(ヒアリ)
特 (提供:環境省)ハチ目 アリ科
アカカミアリ
特 (提供:環境省)ハチ目 ミツバチ科
タイワンタケクマバチ
条 (提供:間野 隆裕)エビ目 アメリカザリガニ科
アメリカザリガニ
特(条件付)十脚目 ワタリガニ科
チチュウカイ
ミドリガニ
クモ目 ヒメグモ科
ハイイロゴケグモ
特 (提供:環境省)クモ目 ヒメグモ科
セアカゴケグモ
特 (提供:環境省)盤足目 リンゴガイ科
スクミリンゴガイ
(ジャンボタニシ)
条 (提供:鳥居 亮一)基眼目 サカマキガイ科
サカマキガイ
(提供:鳥居 亮一)柄眼目 アフリカマイマイ科
アフリカマイマイ
(提供:川瀬 基弘)イガイ目 イガイ科
ムラサキイガイ
(ムール貝の一種)
(提供:鳥居 亮一)掩喉目 ペクチナテラ科
オオマリコケムシ
ヒユ科
ツルノゲイトウ
スイレン科
ハゴロモモ
条スイレン科
スイレン園芸品種
条マタタビ科
シナサルナシ
栽培品種(キウイフルーツ)
モウセンゴケ科
ナガエモウセンゴケ
特 (提供:小菅 崇之)アブラナ科
セイヨウアブラナ
マメ科
イタチハギ
ウリ科
アレチウリ
特アカバナ科
アメリカミズキンバイ
アリノトウグサ科
オオフサモ
(パロットフェザー)
特ゴマノハグサ科
オオカワヂシャ
特ゴマノハグサ科
オオイヌノフグリ
タヌキモ科
エフクレタヌキモ
(提供:野田 智祥)キク科
アメリカオニアザミ
キク科
オオキンケイギク
特キク科
ヒメジョオン
キク科
セイタカアワダチソウ
キク科
メリケントキンソウ
トチカガミ科
オオカナダモ
(アナカリス)
アヤメ科
キショウブ
条ツユクサ科
ノハカタカラクサ
条サトイモ科
ボタンウキクサ
(ウォーターレタス)
特