名城大学附属高等学校/自然科学部

庄内川の環境調査

 私たちの高校の北側には一級河川である庄内川が流れており,国土交通省「全国一級河川の水質現況」でDランクに評価されている川です。このような川の生物相やその変化を知るとともに川の環境の変化を知ることを目的として生息する生物を継続的に調査しました。また,身近な川である庄内川の生態系を調べることにより生き物の命の大切さを知り、環境への関心を高めることも目的の一つです。
 2014年度から調査を開始しました。方法はたも網を用いたすくい取り法による生物採集で、30~45分の採集時間を月1回の頻度で行いました。川の流れが速く、砂礫底である地点1、流れが緩やかで、砂泥底である地点2の環境が異なる2地点を設定しました。2地点とも川の茂みを中心に採集を行いました。
 調査期間中、多く採集された生物は甲殻類、ハゼ類、オイカワ、ボラ、ウナギ、カダヤシなどでした。甲殻類は主にヌマエビ類、テナガエビ類、モクズガニであり、ハゼ類は主にマハゼ、ゴクラクハゼ、ヌマチチブ、チチブ、アシシロハゼでした。外来種が多く、特に砂泥底の地点2では採集した魚類全体における外来種の割合が60~70%、そのうちのほとんどはカダヤシであり、メダカの捕獲数との差が大きくなりました。その他の外来種はミシシッピアカミミガメ、ウシガエルなどでした。調査期間中、たも網でアユが採集でき、遡上していることが確認できたり、アユカケやカワアナゴなどが複数匹採集できたりしました。メダカとカダヤシの個体数が年々減少しており、特にカダヤシの減少が目立っています。また、モクズガニの捕獲個体数が近年増加傾向にあり、今後の経過を見守っていきたいと思います。

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