生きものコラム

生物多様性シンポジウム2024を開催しました

センターでは、名古屋市内の希少な野生動植物の生息・生育状況を調査し、その結果をもとに2025年にむけて名古屋市版レッドリストの改訂作業を行っています。

今回、市民のみなさまに改訂作業の進捗などをお知らせするため、2024年3月24日(日)、名市大薬学部(田辺通キャンパス)において、「生物多様性シンポジウム2024」を開催しましたので、その概要を紹介します。

シンポジウムの前半はレッドリストに関する講演、後半は生物多様性やSDGsに関する講演の2部構成で、講演の合間には、学生の皆さんによるポスターセッションを行い、当日は200名を越す参加者がありました。

 

希少種報告

前半は「希少種報告」と題し、名古屋市版レッドリスト2025に記載予定の、植物および動物の12の分類群について、担当する専門家から現状を報告いただきました。

全分類群を報告したため、駆け足となってしまいましたが、参加者からは、「クモが穴を掘って捕食するのはすごい」「専門家から直接話が聞けて良かった」などの声が聞かれました。

ポスターセッション

前半の講演終了後、「なごや生物多様性センターまつり」の「ユースひろば」で活躍されている高校や、大学の皆さんにより、日頃の部活動などで行われている生物に関する調査・研究の成果や保全活動に関するポスター発表が行われました。

参加者からは、「学生の多様な発表内容やレベルの高さに関心した」との声が聞かれました。

 

名市大発 生物多様性研究報告

後半は、名古屋市立大学で取り組んでいる生物多様性やSDGsに関する最新の研究成果などを、専門家から報告いただきました。具体的な演題としては、「DNA解析を通した名古屋周辺の動植物に関する生物多様性の把握」「アニマルウェルフェアを目指した大型類人猿の診療ネットワークの構築」「持続可能な社会形成に向けたESDの取り組み」の3つを報告いただきました。

参加者からは、「生物多様性に関して多様な話題が聞けて良かった」との話が聞かれましたが、「前半と後半の講演のつながりが良くわからなかった」などの話もいただきました。今後はわかりやすい説明に努めたいと思います。

次回のシンポジウムは2025年の3月頃の開催を予定しています。みなさまのご参加をお待ちしています。

 レッドリストについては、精度向上のため、今後も定期的に改訂していく予定です。希少な生きものに関する情報がございましたら、なごや生物多様性センター(E-mail:bdnagoya@kankyokyoku.city.nagoya.lg.jp)にご連絡いただくか、「なごや生きものマップ」(https://ikimono.city.nagoya.jp/ikimono_map/)に情報をお寄せいただきますよう、よろしくお願いします。

(なごや生物多様性センター/中村 彰)

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