生きものコラム

名古屋市科学館とのコラボ展示 “哺乳類編” 開催!

現在、科学館で開催中の『なごやの ざんねんじゃない! いきもの』展は、2月から“哺乳類ほにゅうるい” に切り替わりました。7月から始まった「昆虫編」、「植物編」、「鳥類・は虫類編」に続くラストの展示になります。

 

今回のテーマは、「コウモリの世界を探る」です。コウモリは哺乳類の中で唯一飛翔適応ひしょうてきおうした動物で、日没頃に空を飛び交うアブラコウモリの姿なら比較的簡単に見ることができます。実は日本に生息する陸上の哺乳類の中で、コウモリは最も種類が多いのです。名古屋市では4種類のコウモリが確認されていますが、そのうちの2種類(オヒキコウモリ、キクガシラコウモリ)は、名古屋市版レッドリスト2020で「絶滅危惧IA類」に指定されています。今回の展示では、市内初確認となったオヒキコウモリの標本(仮剥製かりはくせいと頭骨)を実際に見ることも出来ます。

コウモリといえば夜行性の動物ですが、真っ暗な中でどうやって外の世界を探っているのでしょう。コウモリは飛びながら、主に人間では聞こえない高い音(超音波)を発して、反射して聞こえるまでの時間で、対象物(障害物やエサなど)までの距離を測っています。音の反響によって、物体との位置や距離とを測り、周囲の状況を察知していく能力を「エコーロケーション(反響定位はんきょうていい」といい、コウモリ以外に、イルカなどにも備わっていることで有名です。

野外でコウモリがいるかどうかを調べるには、「バットディテクター」という探知機を使います。コウモリが発する超音波を捉えて、ヒトの耳でも聞こえる低い周波数に変換する装置なので、コウモリの生息調査には欠かせないアイテムなのです。

視覚ではなく、聴覚を頼りに世界を見ているコウモリの世界を、ぜひのぞきに来てくださいね!

(なごや生物多様性センター/曽根啓子・野呂達哉)

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