秋の昆虫標本講座を開催しました!
今年度からセンターでは、昆虫標本の作り方を学べる2回連続の講座を開催しています。夏に行った講座では、甲虫類やトンボ類を採集して標本作成を行いました(その様子はコチラ)。今回の秋の講座では、バッタやイナゴなどの“バッタ類”をターゲットにしました。バッタ類は、夏から秋にかけて河原や公園などの草地で見られる身近な生き物で、この時期に観察・採集しやすい昆虫です。つい先日も、名古屋市内のバッタ類の生息を一斉に探す調査(なごや生きもの一斉調査2020~バッタ編~)(外部リンク)が実施されたばかりです。
講座の当日(10月24日)、まず午前中に、講師である戸田尚希先生(名城大学農学部昆虫学研究室研究員・名古屋昆虫同好会会員)から座学を受けた後、天白川沿いの草地や公園に採集に出かけました(上の写真)。草地を歩き回り、足元から飛び出してくるバッタ類を追いかけて手で捕まえたり、捕虫網ですくい取ったりして、何種類ものバッタ類を採集しました。
午後には、採集したバッタ類を使って標本作成を行いました。昆虫の標本は、頭部が向かって左側にくるように横にした標本(横向き標本)にするのが一般的です。胸部に昆虫針を刺してスチロール板に固定し、足の向きを整えながら止め針で固定していく「展足」作業を学びました。この作業中も、「後足(後脛節)が赤・青・黒の斑模様をしているのが、マダラバッタの名前の由来」、「体を裏返した時に、前足の間に喉仏のような突起物が無いか有るかが、バッタとイナゴとを見分ける目印」といったバッタ類の見分け方のコツを、戸田先生から教えてもらいました。
展足が完了したバッタ類に採集ラベルを添えて、この日の作業は完了しました。次回(12月5日)の講座では、種類を特定(同定)をする予定です。どんなバッタ類が採れていたのか・・、楽しみですね!
(なごや生物多様性センター/曽根啓子)