センターのビオトープに初”ためフン”

寒くなりだした10月末、ビオトープに棒状のフンがまとまってあるのを発見しました。
このような動物のフンや足跡、時には樹木に付けられた傷などの生きものの痕跡のことを「フィールドサイン」と呼び、どのような動物がいるのかを探る重要な手掛かりとなります。
今回発見したフンはいわゆる「ためフン」に見えます。
ためフンとは、同じ場所にフンを溜める習性をもつ動物によってできたフンの山のことです。
これらのフンを哺乳類に詳しい専門員に確認してもらったところ、タヌキのものである可能性が高いとのことでした。実際、ビオトープに設置した動物カメラでも過去にタヌキの姿が映っていたことがあります。
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せっかくなのでこのフンを回収し、内容物を確認することにしました。
その結果、イモムシ型の幼虫、カキノキの種子と外皮、ムクノキの種子、加えてビニール袋が見つかりました。
ビオトープ内に設置されたエコスタック(落ち葉などを溜める場所)でハナムグリの幼虫を定期的に観察していましたが、フンを発見する直前に急に数が減ったと感じていました。そのため、見つかった幼虫はエコスタックに由来するものと思われます。まさか、タヌキに食べられていたかもしれないとは思ってもみませんでした。
一方、カキノキやムクノキはビオトープも含めてセンター内では生育していないため、近隣の民家や公園などで植栽されているものを採食したのでしょう。
また、ビニール袋は人間の残飯を漁っていた際に誤食したと思われ、都市に適応した個体であることが伺えます。ビニール袋は消化管で閉塞を起こす可能性があること、慣れると人間に近寄りすぎてしまう可能性があることから、漁られないように人間側も注意が必要です。
今回のフンの落とし主を探そうと動物カメラを確認したところ、フンをしたであろう日付はカメラを回収しており、1枚も撮れていない状態であったことが発覚。残念ながらタヌキという確証が得られませんでした。
しかしながら、数日後の21時ごろにセンター事務所の裏口から出た際に何者かの足音が聞こえ、目を凝らすとタヌキが歩いていました。やはり、フンの持ち主はタヌキであった可能性が高まりました。
翌日に動物カメラをよく映るように画角を調整した結果、ついに姿を押さえました。2頭で映っています。

そして、センター内にある別の場所(域外保全エリア)でも近い日付でビオトープで見られた個体と同一と思われる2頭が映りました。
ビオトープが川沿いにあることで利用されやすいためか、タヌキだけでなくアカギツネも毎年確認されています。しかし、ためフンが確認されたのは今回が初でした。
ビオトープの環境が日々移ろっていく中、動物の利用方法も変化していくことを改めて感じました。
(普及推進員/水野いづみ)






