生きものコラム

森林保全体験を通して生物多様性を学ぶバスツアーを開催しました

ここに植えました!

10月14 日に森林保全体験を通して生物多様性を学ぶバスツアーを開催しました!

小学5年生~中学3年生のお子さんとその保護者総勢31名で岐阜県下呂市萩原町にある「皇樹こうじゅもり」へ向かいます。行先は名古屋市の水道の源でもある木曽川の支流、飛騨川の上流域です。

植樹体験を通して森と水のかかわりや、森林の重要性を学びました。

 

名古屋の水道水はどこから?
下呂市へ向かう道中、名古屋市と下呂市の水の関わりについて名古屋市上下水道局の西邨にしむらさんに話を伺いました。私たちの生活になくてはならない水道水。二百三十万人が住む名古屋市の水道水は濃尾平野を流れる大河「木曽川」から取水しています。
大きな川が流れ続けるために森の力が必要です。雨水は樹の幹を伝うことで水流がゆるやかになり、森の土にゆっくり浸透します。沢山の微生物が落ち葉を分解してふかふかになった森の土がスポンジのような役割を果たして水を貯え、川の水が途絶えないのです。川でつながる下呂市と名古屋市。下流に水が流れつづけるためには上流域での森林整備が必要です。
森林整備のために、わたしたちができることは「森ではたらく」 「木を使う」「川を綺麗にする」「流域を考える」の四つがあると西邨さん。上流域へ遊びに行ったり、食材を献立に取り入れるなど流域を考える習慣を日常に取り入れることで、上流域の経済が潤うことも、 森林整備、つまり我々の水道水を守ることに繋がるのです。

 

 

森の案内人

西邨さんからバトンタッチ、道中や現地で案内して下さったのはNPO法人森のなりわい研究所の伊藤栄一さん。

片道140km、飛騨川沿いを山へ山へ、上流に向かって走る道すがら、車窓から見える植生の変化や名所など下呂市の魅力についてとっても楽しいお話を伺います。

 

 

屋外でわっぱ飯

現地に着くとまずは腹ごしらえ!アマゴが泳ぐ清流のそばでお弁当をいただきました。容器は今年も伊藤さんプロデュ―スの曲げわっぱ。地元のおかあさんの手作り弁当をほおばります。

 

森林保全体験

お腹が満たされたところで、本日のメインイベント「植樹」のために森林を進む一行。植樹会場には下呂市林務課の方がミズナラ、ヤマザクラ、ホオノキ、カスミザクラの苗を用意してくださいました。 全部、近辺に生える落葉樹だよ!と伊藤さん。

これらの樹々が冬、辺りに落葉を積み重ね、水を貯える土をつくります。さらに、様々な生きものが活用できる森になるように四種の樹を選んだのだそうです。

 

さあ、苗を運んで いざ植樹!

森の恵み

さいごに、作業で土が付いた手を湧き水で洗って森を後にしました。植樹を通して、冷たく綺麗な水によりいっそうのありがたみを感じます。

参加者の声

・植樹が楽しかった

・プラスチックを使わない弁当箱がよかった

・深い知見に基づいた話が聞けて勉強になった

 

今後もいろいろと趣向を変えて実施したいと思いますので、皆さん機会があれば是非ご応募してください!

 

(なごや生物多様性センター 成田優之)

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