生きものコラム

名古屋市科学館との新しいコラボ展示が始まりました!

2020年4月から2022年1月まで、センターと科学館がコラボした『ざんねんじゃない!いきもの』展を、科学館で開催してきました(→その様子はコチラ)。

 

8月17日からは、この場所で新しい展示『食べられるだけじゃない!いきもの』展が始まりました。どんな展示内容か、想像がつきますか?実はこの展示、科学館で6月まで開催されていた特別展『大地のハンター』展に触発されて企画・制作したものなのです。食物連鎖において、ハンターとは、ワニやオオカミのような獲物を狩る側の生きもの、いわゆる「捕食者ほしょくしゃ」を指します。一方、狩られる側の生きものは、「被食者ひしょくしゃ」とよばれています。今回の展示で取り上げたのは、この被食者の方です。被食者というと、弱々しい生きものが一方的に捕食者餌食えじきになっているというイメージが先行しがちですが、実はそれだけでなないのです。被食者側も簡単に捕食されないよう、様々な知恵を巡らせているのです。

 

その一例をご紹介します。捕食者コウモリ vs. 被食者ガ類の超音波を使った見えない攻防戦です!

夜行性のコウモリは、鼻や口から超音波を発し、餌となる昆虫から跳ね返ったエコー(反響音)を手掛かりに昆虫の正確な位置を捕らえて捕食します。これに対抗して、被食者であるヒトリガ類は鼓膜器官こまくきかんを発達させ、コウモリの発する超音波を聞くと、逃げたり飛ぶのをやめたりします。また、自ら超音波を発して、“自分は毒があって美味しくない”ことをコウモリに知らせて、狩られないように仕向けています。さらに面白いことに、毒を持たないにも関わらず、毒のあるガ類の超音波を真似て身を守るガ類さえいるのです。

今回の展示では、1.見えない?攻防戦2.戦わずに身を守る3.逆手にとって利用するという3つのテーマで、被食者の「食べられるだけじゃない!」ための生存戦略を紹介しています。科学館を訪れた際は、生命館5階のバイオギャラリーにもぜひ足を運んでみてください!

 

最後にもう一つアナウンスが!センターと科学館とがコラボした展示の取り組みが、ケーブルテレビで紹介されることになりました。センターの紹介もありますので(取材を受けた際の写真はコチラ↓)、番組の方もチェックしてみてください!

   ★ 番組名:スターキャット「なごやのたのしみ方チャンネル」

   ★ 放送日:2022年10月1日(土)9:00~

(なごや生物多様性センター/曽根啓子・西部めぐみ)

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