池の中を見る
昨年の池干し会場「すり鉢池」と同じ「猪高緑地内」にある塚ノ杁池で
名城大学の野生動物生態研究会の学生さんと生物調査を行いました。
調査届を提出!そして調査員の目印、生きもの調査のビブス装着!
道具を持って、いざ入水!!
誰かが捨てた外来生物・園芸用のセイヨウスイレンが池一面に広がります。
愛知県ではセイヨウスイレンを野外に放つことや種をまくことが禁止されております!※1
平成3年(31年前)に投入されたセイヨウスイレンが広まり、環境が変わった結果
昆虫や水生植物に悪影響を与えています。
地元の自然を次世代に受継ぐためにも、生きものを放さないでください。
「生きものがいなくて寂しい!」「キレイにしたい!」という善意のつもりが生態系を壊します。
セイヨウスイレンの群落をかき分けかき分け
池の中心になんとかたどり着き水生生物調査のためのワナをしかけます。
結果は写真のとおりでございました。
さて、名城大学の野生動物生態研究会の学生さんはというと・・
気づけば遠く、対岸まで。
ひたすら網をガサガサ・・・の結果は!!??
ライギョ玉発見!
ライギョ玉とは、カムルチー(ライギョ)の稚魚がボール状の群れになって泳ぐ、天敵から身を守る習性です。
観察ケースにいれて観察会開始!塚ノ杁池でカムルチーと学生さんの笑顔が見られました。
カムルチーはスイレンと同じく、誰かによって入れられた外来生物で、魚やカエルの仲間を食べてしまうことで生態系への影響を与えています。そのため、他の地域への放流することは禁止されています。※2
カムルチーは表層を泳ぎ、物陰を好むためスイレンが池を覆う環境を好んでいます。外来種(スイレン)が外来種(カムルチー)を増やすスパイラルが出来てしまっては、在来の生きものが快適に過ごせません。
善意であっても生きものを放流しないでください!
※1:愛知県の自然環境の保全及び緑化の推進に関する条例により、野外に放つ行為や種をまくことが規制されています。
※2:愛知県漁業調整規則により、らいぎょ(卵を含む。)を河川又は湖沼に移植することが禁止されています。
※この調査はなごビオ(なごや生物多様性保全活動協議会)の「水辺の生きもの部会」の活動です。
(なごや生物多様性センター 成田優之・宇地原永吉)