半分寄生する植物 カナビキソウ
生きものコラム 2021.07.14
今回はカナビキソウ(ビャクダン科)を紹介します。
ビャクダン科の植物は、半寄生の性質を持っています。ビャクダン科でよく知られている植物は「ヤドリギ」で、クリスマスシーズンになると冬のモチーフなどに用いられることもあります。
半寄生植物は、自分で光合成して養分を作りつつも、不足している養分は他の植物から頂戴してしまうという、要領の良い植物です。
カナビキソウは、河川敷などのよく日が当たる明るい草地に生えています。
漢字だと「金挽草」「鐵引草」ですが、名付けの意味はよくわかっていません。
もしかしたら、草全体がどこか鋭利なノコギリのような印象を受けることかもしれませんね。
この植物本体は、草地で見落とすような姿をしていて、5〜7月に咲く白く小さな花も顔を近づけてようやく見えるサイズという、なんとも地味な植物です。ちなみにカナビキソウに花びら(花弁)はなく、花びらに見える白い部分は萼です。
こんなに目立たないカナビキソウのみを食草として生きている、シロヘリツチカメムシという昆虫がいます。
その昆虫については、また次回!
(なごや生物多様性センター/西部めぐみ)