生きものコラム

猪高緑地で昆虫採集

例年になく早く始まった梅雨の合間を抜って、6月5日、名東区の猪高緑地に「昆虫標本作製講座」のための昆虫採集に出かけてきました。昨年度から始まったこの講座、大人(高校生以上)を対象とした少人数制のものなので、昆虫の捕まえ方から、標本の作製方法、同定のコツに至るまで、講師の戸田尚希先生から丁寧に学べると好評です(昨年度の講座の様子はコチラ:夏の講座秋の講座)。

 

当日の朝9時、捕虫網を持って猪高緑地に集合しました。まずは、講師の戸田先生から、3種類の採集方法について教えて頂きました。

 

◆ルッキング:虫のいそうな場所を探して、散策しながら目視で昆虫を探す方法。見つけ採り法とも。

◆スイーピング:昆虫が潜んでいそうな葉っぱなどを捕虫網ですくう方法。

◆ビーティング:枝葉の下にネットを置き、棒などで叩き、その衝撃で落ちる昆虫を採集する方法。

 

早速、緑地内を歩き回り、まずはルッキングを試みますが、前夜まで雨だったせいか、チョウ類などの目立つものはまだ姿を見せませんでした。そこで、スイーピングに切り替えます。捕虫網の竿を長く伸ばして高い木の上をバサバサし、網の中に昆虫が入っているかを確認します。「陽が当たっている枝葉には昆虫が潜みやすい」と聞き、そこを狙い撃ちします。戸田先生はというと、これはと思う枝葉を見つけると、すかさずビーティング!スイーピングとビーティングを交互に繰り出す様子は、まるで格闘技の連続技のようでした。

午後はセンターに戻り、午前に採集した昆虫(トンボ類、ナナフシ類、コウチュウ類、チョウ類など)を展翅・展脚し、採集ラベルを添えて乾燥させ、この日の作業は完了しました。

この続きは2回目の講座(8月23日)で行う予定です。どんな標本が完成するのか、今から楽しみですね!

(なごや生物多様性センター/曽根啓子)

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