生きものコラム

アオダイショウのミステリー

5月12日、センター内にある普段人が滅多に立ち入らない薄暗い車庫で、大きなアオダイショウが死亡しているのを発見しました。体重630g、全長1.6mもあるメスでした。頭部がつぶれていましたが、なぜこんな所で死んでいたのかは不明です。死後数日は経過しているようで、鼻を付く腐敗臭です。鼻をしかめつつも、アオダイショウの腹部が異様に膨らんでいることに気付きました。

これは「生前に何かを丸呑まるのみにしたのに違いない!」と思い、回収して腹部を切開してみました。すると、全身が黒い羽に被われた体長20cm程の鳥が1羽出てきました。翼や尾羽がストロー状の「羽鞘うしょう」でくるまれており、カラスの幼鳥のようです。また、これと一緒に、2粒の堅果けんかも出てきました。センターの植物専門員に見てもらった結果、アラカシの種子と判明しました。さて、ここからは想像なのですが、このアオダイショウ、アラカシに営巣していたカラスの幼鳥を襲って捕食したものの、異変に気付いた親鳥の返り討ちに遭い、逃げ延びたがセンターの車庫で力尽きた・・・、のかもしれませんね。以上、アオダイショウのミステリーでした。

(なごや生物多様性センター/曽根啓子)

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