刺激的な!? 職業体験
12月22・23日の2日間、南山女子高等学校の2名が、キャリア・トライアル(職業体験)でセンターを訪れ、生物標本に関わる業務に挑戦してくれました。今回は、私が担当した「哺乳類の標本作成」の様子をご紹介します。
1日目は、ハクビシンの仮剥製標本作りに挑戦してもらいました。2名とも動物の解剖は未経験で、メスを握るのも初めてとのこと。最初にメスで皮に切れ込みを入れた時は、「あれ?切れない!」と苦戦していましたが、力の入れ加減が分かってくると、皮を体から剥がしたり、関節を外す作業に没頭してくれました。哺乳類の体の名称や仕組みについて楽しく話しながら、無事に仮剥製標本を完成させました(写真①)!
2日目は、前日に解剖したハクビシンの骨格標本作りを行ってもらいました。一晩煮込まれたハクビシンをザルに上げ、骨に付いた肉を水洗しながらクリーニングしてもらいました(写真②)。洗い終わった骨を見ながら、「こちらは1番目の首の骨(第一頸椎)、あちらは太腿の骨(大腿骨)」などと説明しながら、体の部位ごとに骨を並べ直してもらいました(写真③)。
この他にも、植物の標本室を見学し、収蔵されている腊葉標本や、先月まで科学館に展示していた「ひっつきむし」の種子標本についての説明を、植物の専門員から受けたりしました(写真④)。また、昆虫の生態写真のフィルム整理(写真⑤)を行ってもらうなど、生きものづくしの2日間を過ごしてもらいました。
今回の体験を終えた学生さんからもらった感想の中で、「刺激的な体験でした!」という言葉が最も印象に残っています。他の職場ではできないユニークな体験ができたという意味でも、センターを訪れてくれた甲斐があったのではと感じました。
(なごや生物多様性センター/曽根啓子)