昆虫標本作成講座を開催しました!
生きものコラム 2020.07.06
今年度から、昆虫標本の作り方を学べる講座がセンターで始まります。この講座は、昆虫を採集して標本を作成し、標本箱に収蔵するまでの一連の工程を学べる連続講座です。専門性が高いため、高校生以上の大人を対象としています。講師は戸田尚希先生(名城大学農学部昆虫学研究室研究員・名古屋昆虫同好会会員)です。
7月3日、その第1回目となる講座がセンターで開催されました。まず午前中に、センター近くの天白川沿いの草地や公園で昆虫を採集しました。梅雨時で曇天だったせいか、見つかる昆虫の種類こそ限られていましたが、それでもアオドウガネなどの甲虫類やイトトンボなどのトンボ類が採集できました(写真①)。
午後からは、採集した昆虫を整形する作業を行いました。甲虫類やトンボ類の整形では、小さな昆虫の脚や触覚をピンセットで丁寧に伸ばしながら、カット綿の上で展足する作業(写真②)を行ったので、参加者の皆さんも苦戦しているようでした。チョウ類の展翅では、チョウの採集ができなかったため、戸田先生が持参してくれたものを使いました。展翅板に固定されたチョウの翅は見た目にも華やかで(写真③)、甲虫類よりも参加者への評判が良かったようです。
整形し終わった標本は、1か月半ほど乾燥させておき、第2回目(8月28日)の講座で同定、ラベル付け、標本箱への収蔵を行う予定です。その様子はまたこのコラムで紹介したいと思いますので、興味のある方はぜひご覧ください!
(なごや生物多様性センター/曽根啓子)