花粉を運ぶ昆虫
生きものコラム 2020.05.07
先日、植物の写真を撮っていると、ブーンという羽音とともに甲虫がやってきました。
種類を確認しようと思い、どこかにとまるのを静かに待っていると、しばらくさまよってから私の服に着地してくれました。
私を翅休めの場所に選んだのはコアオハナムグリでした。さっそく、写真を撮るために近くの植物に置きなおし、撮影スタート!
コアオハナムグリは日本各地に広く分布し、春になると越冬していた個体が活発に花々を飛び回ります。
撮った写真をその場で拡大してみると、脚に白い花粉が付いていることに気が付きました。ハナムグリ類は名前の由来である「花潜り(はなもぐり)」のとおり、花粉や蜜を食べる甲虫で、植物にとっては重要な花粉媒介者(花粉を運ぶもの)です。
「こうやって運ばれた花粉で植物は子孫を残すのだな」と拡大写真に見入っているうちに、コアオハナムグリは次の花を求めて飛び立っていきました。
(なごや生物多様性センター/西部めぐみ)