植物なのに カラス? スズメ?
生きものコラム 2020.04.30
センター近くの空き地で3種類のよく似た植物を見つけました。その名も、「カラスノエンドウ」、「スズメノエンドウ」、そして「カスマグサ」です。
カラスノエンドウ(烏野豌豆)の植物学における標準和名は「ヤハズエンドウ」といい、葉先が矢筈状にくぼんでいることにちなんでいます。この時期、日当たりのいい場所で咲いている赤紫色の花は目立つので、よくみかけると思います。なお、「カラス」の名は豆果が熟すと黒くなるため、という一説も。
一方、スズメノエンドウ(雀野豌豆)はカラスノエンドウより小型なことからこの和名が付きました。「スズメ」は植物学では「小さい」ということを示します。写真で比較するとその小ささがよくわかりますね。花は小さくて目立ちませんが、淡い紫が入った白くてかわいい花を咲かせます。
カスマグサ(かす間草)はこの2種の中間的な形をしていることから「カラス」と「スズメ」の間(マ)、という冗談のような和名が付けられています。
和名がわかってから植物を観察すると、また面白いですね。
(なごや生物多様性センター/西部めぐみ)