いつもより早い?モチツツジの開花
生きものコラム 2020.03.26
なごや生物多様性保全活動協議会の里山林・社寺林部会の方から、2月末に天白公園でモチツツジが咲いていたと教えていただいたので見に行ってきました。通常の開花期は4~6月で、東海地方では5月頃に花をよく見かけるイメージだったため、ずいぶん早いなと思いましたが綺麗に咲いていました。
高さ1~2m、半落葉低木の日本固有種で、分布は限定的(静岡・山梨~岡山、四国)ですが、東海地方の低山地や丘陵地ではよくみられます。若い枝や花柄、萼片などには腺毛がたくさんあり、触るとベタベタすることが和名の由来です。この腺毛の主な役割は花を食害する昆虫を寄せ付けないためで、食虫植物のように昆虫から養分を得るためではありません。普段は、美しい花が台無しになるほど昆虫がくっ付いているのですが、今回は時期が早いからか、腺毛の餌食になっている昆虫は写真の1匹だけでした。
ちなみに、このモチツツジの腺毛のところにのみ生息し、腺毛にかかった昆虫を餌とするカメムシの仲間がいるそうです。その名もモチツツジカスミカメといい、初夏に見られる昆虫とのことなのでまた次の機会に観察してみたいと思います。
(なごや生物多様性センター/西部めぐみ)
(執筆日 2020.3.9)